健康管理の道具を選ぶとき、たいてい比べるのは機能です。何が測れるか、どこまで連携できるか、精度はどうか。
その前に見るべきものがあるというのが、この記事の話です。
私は食事記録アプリを2ヶ月ほど使って、やめました。一方で、腕に着ける健康トラッカーと体組成計は続いています。この差は、機能の優劣ではありませんでした。
食事記録アプリを、2ヶ月でやめた
使っていたのは、食べたものを記録すると内容を分析してくれるタイプのアプリです。よくできていました。機能に不満があったわけではありません。
やめた理由は単純で、毎回記録するのが面倒になったからです。
1日に2〜3回、食べるたびに入力する。冷静に考えると、これはそれなりのモチベーションがないと続けられない作業です。最初の数週間はできました。だんだん、抜ける日が出てきました。そして2ヶ月ほどで、開かなくなりました。
バーコードを読むだけでも、面倒になった
ここが自分でも意外だった部分です。
こういうアプリには、バーコードを読み取る機能が付いています。コンビニで買ったものなら、パッケージのバーコードにカメラを向けるだけ。商品名を検索して選ぶ必要も、分量を入力する必要もありません。
手間としては、ほぼ限界まで減らされています。 数秒で終わります。
それでも、面倒になりました。
食べる前にスマホを取り出す。アプリを開く。カメラを起動する。バーコードに向ける。この一連の動作が、日に何度も発生する。1回あたりは数秒でも、「やる」と決めて体を動かす必要があることに変わりはありません。
続かなかったのは、アプリの出来が悪いからではありません。能動的な操作が残っている限り、いつか止まるということだと思います。
一方で、続いているものがある
同じ時期に使い始めて、いまも続いているものが2つあります。
Google Fitbit Air。 腕に着けるタイプの健康トラッカーで、画面がありません。時刻も通知も表示されず、歩数や心拍、睡眠を記録するだけの機器です。防水なので風呂でも外しません。バッテリーが1週間もつので、充電のために長時間外すこともない。着けているだけで貯まっていきます。
私がやっている操作は、ゼロです。
タニタの体組成計。 朝、風呂に入る前に乗るだけです。数値はアプリに自動で送られます。やることは「乗る」だけで、記録の操作はありません。
この2つは、やめようと思ったことがありません。やめるも何も、努力していないからです。
違いは「入力の手間」だった
3つを並べると、はっきりします。
| 道具 | 必要な操作 | 続いたか |
|---|---|---|
| 健康トラッカー | なし。着けているだけ | ◎ 続いている |
| 体組成計 | 乗るだけ | ◎ 続いている |
| 食事記録アプリ | 毎食、スマホで記録 | × 2ヶ月でやめた |
連携の優秀さは、どれも関係ありませんでした。
食事記録アプリも、データを他のアプリへ渡す機能を持っています。よくできています。でも、記録されなければ、渡すデータがそもそも存在しません。
どれだけきれいにデータが流れる設計になっていても、入り口で止まれば何も残らない。当たり前のことですが、機能の比較表を眺めているときには気づきません。
道具を選ぶときの、順番
だから私は、健康管理の道具を選ぶ基準がひとつ増えました。
精度や連携項目より先に、入力の手間を見る。
具体的には、こういう質問になります。
「自分は何回、操作する必要があるか」
- ゼロ回 ── 着けているだけ、置いてあるだけ。ほぼ確実に続きます
- 1日1回 ── 体重計に乗る、といった水準。習慣にしやすい範囲です
- 1日3回以上 ── ここから急に難しくなります。 モチベーションに依存します
そして、「その操作は、忘れたときに取り返せるか」 も効いてきます。
腕に着ける機器は、着け忘れた日があってもその日だけの話です。食事記録は、1食忘れるとその日のデータが崩れます。 崩れると「もういいか」となり、そこから戻れなくなる。私の場合もそうでした。
手入力でも続く人はいます
念のため書いておきます。これは私の話です。
食事記録を何年も続けている人がいます。書くこと自体が習慣になっている人、記録を見返すのが好きな人、明確な目標があって数字を追う必要がある人。そういう場合、この記事の結論は当てはまりません。
自分が続けられるなら、手入力の道具は強力です。 自動計測では取れない情報が取れます。食べたものは、機械には分かりません。
問題は、続けられるかどうかを買う前に見極めるのが難しいことです。私は2ヶ月使ってみて、自分には無理だと分かりました。試してみないと分からない部分ではあります。
だからこそ、無料で試せるものは試してから決めるのがいいと思います。私も、有料プランに入る前にやめました。そこは損をしていません。
まとめ
- 食事記録アプリを2ヶ月でやめた。理由は毎食の記録が面倒になったから
- バーコードを読むだけの作業でも、面倒になりました。 手間を極限まで減らしても、能動的な操作が残る限り止まります
- 健康トラッカーと体組成計は続いている。操作がゼロか、乗るだけだから
- 差は連携の優秀さではなく、入力の手間でした
- 道具を選ぶときは、精度や機能より先に、1日何回操作する必要があるかを見る
- ただし、手入力でも続く人にはこの結論は当てはまりません
記録されなければ、どんなに優秀な連携も意味を持ちません。 続く道具を選ぶ、というのは、思っていたより大事な基準でした。

