「FitbitはiPhoneのヘルスケアと連携できない」
そう書かれた記事が、いまだに検索の上位に出てきます。実際、少し前まではそのとおりでした。ヘルスケアからデータを取り込むことはできても、逆向きには流れない。iPhoneユーザーがFitbitを選びにくい理由のひとつでした。
2026年8月から、双方向になっています。
ただ、この記事で本当に伝えたいのはそこではありません。設定画面を開いて驚いたのは、許可されている項目と、実際に届いている項目がまったく別物だったことです。許可リストには100項目近くが並んでいますが、そのほとんどにデータは入っていません。
Google Fitbit Air と iPhone 17 Pro を実際に使い、設定画面を最後までスクロールして確認しました。何が届いて、何が届かないのかを全部並べます。
なお、本記事の内容は2026年8月30日時点のものです。連携仕様は変わりますので、購入前には必ず公式の最新情報をご確認ください。
結論:使えます。ただし届く項目は限られます
先に結論を書きます。
- 双方向で連携します。 Google Health → ヘルスケア、ヘルスケア → Google Health の両方向
- 設定は数分で終わります。 追加アプリは不要
- ただし、許可リストに並ぶ全項目が届くわけではありません
- 心拍変動は届きません
最後の2つが、他の記事にはあまり書かれていない部分です。
何が変わったのか
以前のFitbitアプリは、Appleヘルスケアからデータを読み込むことはできても、Fitbit側のデータをヘルスケアへ書き出すことができませんでした。歩数も睡眠も心拍も、Fitbitアプリの中で完結していた状態です。
2026年5月にFitbitアプリが「Google Health」へ改称された時点でも、この一方通行は変わりませんでした。
そして2026年8月、Google Healthアプリのアップデートで、運動記録・睡眠時間・バイタルサイン・歩数をAppleヘルスケアと共有できるようになりました。
つまり、双方向になったのはごく最近です。 2026年6月時点で書かれた解説記事が「非対応」としているのは、その時点では正確だったということです。古い記事が間違っているのではなく、状況が変わりました。
設定手順
iPhone側から確認・設定します。
- ヘルスケアアプリを開く
- 右上のプロフィールアイコンをタップ
- 下にスクロールして「プライバシー」→「App」
- リストから Google Health をタップ
なお、Google Healthアプリ側の連携設定からも同じことができます。どちらから設定しても結果は同じです。
設定画面には、2つの方向がある
まず、ここを分けて理解しておく必要があります。ヘルスケアの設定画面には、セクションが2つあります。
- 書き込みを許可 ── Google Health が、ヘルスケアへデータを渡す方向
- 読み出しを許可 ── Google Health が、ヘルスケアからデータを受け取る方向
この2つが揃って、はじめて双方向です。片方だけオンだと一方通行のままなので、両方確認してください。
そして、この記事で問題にするのは書き込み側です。Fitbit Air で測ったデータがヘルスケアへ届くかどうか、という話だからです。
ここが本題:書き込みの許可リストは、当てになりません
書き込み側の許可項目を開くと、ずらりと並びます。100項目近くあります。
アクティブエネルギー、歩数、心拍数、睡眠といった想像どおりのものに混じって、こういう項目も並んでいます。
- せき
- ほてり
- 血糖値
- 月経
- マインドフル時間
- タンパク質
- ナトリウム
Fitbit Air がこれらを測っているわけではありません。
ここが誤解しやすいところです。この一覧は「Google Health が書き込んでもよい項目」であって、「Google Health が書き込む項目」ではありません。Appleヘルスケアが扱えるデータ種別を、まとめて許可しているだけです。
Fitbit Air は健康トラッカーです。血糖値も月経も測りません。栄養素の記録機能もありません。許可されていても、元データが存在しなければ何も入らない。
ここを勘違いすると、「連携したのにデータが入っていない」と悩むことになります。許可リストは「入れてもいいですよ」という許可であって、「入っています」という報告ではありません。
では、実際に何が入っているのか。それを確認する画面が別にあります。
実際に届いている項目の全リスト
許可リストの下のほうに 「”Google Health” からのデータ」 という項目があります。ここを開くと、実際に書き込まれた項目だけが表示されます。
筆者の環境では、次のとおりでした。
| 分類 | 実際に届いている項目 |
|---|---|
| アクティビティ | 歩数/ウォーキング+ランニングの距離/ワークアウト |
| バイタル | 心拍数/取り込まれた酸素のレベル/呼吸数 |
| 呼吸 | 取り込まれた酸素のレベル/呼吸数 |
| 心の健康状態 | 睡眠 |
| 心臓 | 心拍数/安静時心拍数 |
| 身体測定値 | 体重 |
| 睡眠 | 睡眠 |


100項目近い許可リストに対して、実際に届いているのは十数項目です。
内容としては十分だと思います。歩数、距離、ワークアウト、心拍数、安静時心拍数、血中酸素(取り込まれた酸素のレベル)、呼吸数、睡眠。Fitbit Air が計測している主要な項目は、ほぼ渡っていると言っていい状態です。
特に安静時心拍数と血中酸素まで届いているのは、想定より手厚い印象でした。この2つは日々の体調の変化が出やすい項目なので、ヘルスケア側で見られるのは実用的です。
届かなかったもの:心拍変動
一方で、心拍変動は届いていません。心拍の間隔のばらつきを示す数値で、体調やストレスの目安として使われるものです。
Fitbit Air は心拍変動を計測しています。Google Health アプリの中では確認できます。しかしヘルスケアには渡ってきませんでした。
心拍変動を重視して機器を選ぶ人にとっては、これは判断材料になります。Google Health の中でだけ見るという前提になるためです。
「双方向で連携するようになった」という情報だけを見て、すべてのデータが渡ると考えると、こういうところでずれます。
面白い現象:体重が一周している
リストを見返して気づいたことがあります。「身体測定値」に体重が入っている点です。
Fitbit Air は体重を測りません。腕に着ける機器であって、体組成計ではないからです。
ではこの体重はどこから来たのか。筆者はタニタの体組成計を使っており、そのデータは体組成計 → ヘルスプラネット → Appleヘルスケア という経路で入っています。それを Google Health がヘルスケアから読み込み、今度はヘルスケアへ書き戻している、と考えるのが自然です。
データが一周しています。
実害はありません。ヘルスケア側で数値が二重になることもありませんでした。ただ、双方向連携をオンにするとこういう循環が起きる、というのは知っておいていいと思います。
細かい話:説明文がまだ「Fitbit」のまま
許可リストの下に、アプリの説明文が表示されます。そこには英語のまま、オンにするとデータがFitbitと共有され、歩数などの基本的なアクティビティが記録される、という趣旨の説明が残っています。
アプリ名はGoogle Healthに変わっているのに、説明文はFitbit時代のまま。しかも日本語化されていません。
動作に影響はありませんが、改称からの移行が完全には終わっていないことがうかがえます。細かい話ですが、実際に画面を開かないと気づかない部分です。
歩数は二重にカウントされるのか
気になる人が多いと思うので触れておきます。
iPhone は本体だけでも歩数を計測します。そこに Fitbit Air の歩数が流れ込むと、合算されて実態より多く表示されるのではないかという懸念です。
筆者の実感としては、違和感のある数字にはなっていません。 iPhone単体の数字と完全に一致するわけではありませんが、明らかに二重計上されているような差ではないという感触です。
Appleヘルスケアは同じ種類のデータが複数のソースから届いた場合に、優先順位で処理する仕組みを持っています。それが働いているものと思われます。
ただし、これは筆者の環境での感触であって、厳密な検証をしたわけではありません。 歩数の正確さを重視する方は、実際に使いながらご自身で確認してください。
追記(2026年10月7日):いまはヘルスケアをほとんど開いていません
この記事を書いてから1ヶ月あまり経ちました。連携の設定はそのままですが、正直に書くと、いまはGoogle Healthアプリでしかデータを見ていません。ヘルスケア側で届く項目が増えたり減ったりしていないかは、その後確認していません。上の一覧は2026年8月30日時点のものです。
連携が途中で止まる、二重に記録される、といった困りごとも、確認していないので「なかった」とは言えません。ヘルスケアで見ることを重視する人は、ご自身の環境で「"Google Health" からのデータ」の画面を確認してください。
まとめ
- iPhone と Fitbit Air は、2026年8月から双方向で連携します
- 設定はヘルスケアの「プライバシー」→「App」→「Google Health」から。書き込みと読み出しの両方を確認する
- 許可リストの項目数に意味はありません。 実際に届いているかは「Google Healthからのデータ」で確認する
- 歩数・距離・ワークアウト・心拍数・安静時心拍数・血中酸素・呼吸数・睡眠は届きます
- 心拍変動は届きません
- 「非対応」と書かれた記事は、多くが2026年前半までの情報です
連携の仕様は、こうして短期間で変わります。購入前には必ず、公式の最新情報を確認してください。 この記事も、あくまで2026年8月30日時点の記録です。

