Apple Watchをやめました。商談中の通知は、その場で確認できないから意味がない

ウェアラブル・健康

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Apple Watch Series 9 を1年ほど使って、やめました。

壊れたわけでも、飽きたわけでもありません。商談中に、腕が光るのが嫌だったからです。

この理由だけ聞くと「通知をオフにすればいいのでは」と思われるはずです。私もそう思って設定を試しました。それでも足りませんでした。なぜ足りなかったのか、そこがこの記事の本題です。


商談中、腕が光る

外回りの商談中、テーブルに手を置いていると、腕が光ります。

視界の端で何かが動けば、人間は反射的にそちらを見ます。どうしても気になって、目線を落としてしまう。 話している最中でも、聞いている最中でも起きます。

自分の集中が切れるだけなら、まだ我慢できたかもしれません。問題はもうひとつのほうです。


相手からは「時計を見た」ようにしか見えない

商談中に腕時計へ目線を落とす行為が、相手からどう見えるか。

こちらは通知が来たから反射的に見ただけです。しかし相手からは、時計を確認したようにしか見えません。「時間がないのかな」「早く切り上げたいのかな」と思われる。

言い訳のしようがありません。「今のは通知で」と説明するのも変ですし、そもそも説明する場面ではない。

商談は、相手との温度を保ちながら進めるものです。そこに自分の意図しない信号が混ざる。これがApple Watchの構造的な問題でした。スマホなら、机に伏せて置いておけば済みます。腕に着けているものは伏せられません。


決定的だったのは「どうせ確認できない」ということ

そして、ここが最後の一押しになりました。

商談中に何度も通知が来て、あるとき気づきました。その場で確認できるわけではない。

考えてみれば当たり前です。相手と話している最中に、届いたメールを読むことはできません。返信もできません。電話にも出られません。できるのは「何か来た」と認識することだけです。

つまりその通知は、

  • 自分の集中を切る
  • 相手に誤解を与える
  • そして、何の行動にも繋がらない

コストだけがあって、得るものがゼロです。商談が終わってスマホを見れば、同じ情報が同じように届いています。5分後に知っても何も変わらない内容を、いま知るために、これだけのものを払っている。

そう整理できた時点で、私の中では結論が出ていました。


「通知をオフにすればいい」を試した結果

もちろん、対処は試しました。集中モードです。

商談の前にオンにすれば通知は止まります。設定としては正しく、実際に効きました。

続かなかったのは、毎回の操作が必要だからです。

商談のたびにオンにして、終わったらオフに戻す。1日に何度もこれを繰り返します。そして必ず起きるのが、オンにし忘れることです。

急いで訪問先に着いたとき。エレベーターの中で名刺を確認しているとき。相手が予定より早く現れたとき。そういう場面ほど、設定を思い出しません。 そして、そういう場面ほど商談は重要だったりします。

逆パターンもあります。オフに戻すのを忘れて、午後の連絡にまったく気づかない。これはこれで困ります。

人間の記憶に依存する対策は、必要なときほど機能しません。 集中モードが悪いのではなく、毎回オンオフが必要な仕組みそのものが、この問題には向いていなかったということです。

対策として確実なのは、そもそも通知が来ない状態にすることでした。設定でオフにするのではなく、通知を表示する画面を持たない機器に変えるということです。


やめて、失ったもの

公平に書きます。便利だったものは、確かにありました。

電子マネーです。 腕をかざすだけで支払いが済むのは快適でした。

ただ、これもスマホで十分だったというのが正直なところです。財布を出す手間はどちらにせよ発生しませんし、スマホは結局取り出すので、大差ありませんでした。

そしてひとつ、意外な発見がありました。モバイルSuicaは、利き手によって使い勝手が変わります。

私は右利きで、腕時計は左腕に着けていました。ところが駅の改札のタッチ部分は右側にあります。 左腕をかざそうとすると、体をひねるか、腕を大きく交差させることになる。毎回これをやるのは、思っていたより面倒でした。

改札で快適に使いたいなら、Apple Watchは右腕に着けるほうが理にかなっています。 ただ、右利きの人が右腕に時計を着けるのは、書くときに邪魔になるなど別の不都合が出ます。

このあたりは製品レビューにはまず書かれていない部分です。購入前に、自分がどちらの腕に着けるかと、改札をどう通っているかを一度想像してみてください。


こういう人は、Apple Watchのままでいい

私の結論は「やめてよかった」ですが、これは私の働き方に依存した結論です。

次のような人には、当てはまりません。

対面の商談がほとんどない人

そもそもこの記事の前提が成立しません。デスクで作業している時間が長いなら、腕で通知を確認できるのは純粋に便利です。その場で確認できる状況なら、通知には意味があります。

通知を受けてすぐ動く必要がある仕事の人

現場対応、当直、システムの監視。気づくこと自体が価値になる仕事なら、スマホを見に行かなくていいApple Watchは強力です。私の場合は「気づいても動けない」から不要だっただけです。

Apple製品で揃えている人

iPhone・Mac・Apple Watchの連携は、他社が追いつけていない領域です。ロック解除や機器の切り替えを日常的に使っているなら、外すと不便が増えます。

運動中に数値を見たい人

私は運動中に腕で数値を見る習慣がありませんでした。ランニング中にペースや心拍をその場で確認したい人には、画面のある機器が必要です。


で、今はどうしているか

健康管理は続けたかったので、画面のない健康トラッカーに変えました。歩数や心拍、睡眠を記録するだけの機器です。通知を表示する画面がないので、そもそも光りません。設定を切り替える必要もありません。

そして腕時計は、好きなものを着けられるようになりました。これは思っていたより気分のいい変化でした。

Apple Watchは、時計と通知と健康管理を1台にまとめた製品です。まとめたからこそ便利で、まとめたからこそ、要らない場面でも全部の機能まで付いてきます。

通知が不要だったわけではありません。商談中だけ、邪魔だった。そしてその「商談中だけ」を切り分ける手段が、私には続きませんでした。だから分けました。

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