AirPods Pro 3を、2026年2月に買いました。買った理由は翻訳でした。「ほぼリアルタイムで翻訳できるらしい」と聞いて、面白そうだと思ったからです。
7ヶ月たって、翻訳機能は1度も使っていません。
失敗談として書くつもりはありません。Pro 3自体は毎日使っていて、満足しています。ただ、「新しい機能があるから」という理由で買い替えを考えている人に、私に起きたことをそのまま伝えておいたほうがいいと思いました。機能があることと、自分に必要なことは、別です。
買い替えた理由を、正直に書きます
買い替える前はAirPods Pro 2を使っていました。しかも2台目です。1台目は片方をなくして処分し、2台目を2025年1月に買い直して使っていました。壊れてもいないし、不満もほとんどありませんでした。
そこにPro 3が出て、「翻訳ができる」と聞きました。外国語で話しかけられると、耳元で日本語になって聞こえる。自分が話した言葉は、相手の言語に翻訳されてiPhoneに表示される。そういう機能です。
商談で使う予定があったわけでも、海外旅行の予定があったわけでもありません。 面白そうだから買った。それが本当のところです。
もうひとつ、後付けの理由もありました。2台目のPro 2の、満充電からの使用時間が落ちてきた気がしていたことです。ただ、そのPro 2は買ってから1年と少ししかたっていません。バッテリーの状態を数字で確認したわけでもありません。いま思えば、「買い替えたい」が先にあって、あとから理由を探していました。
使わなかった理由は、単純です
使う場面がありませんでした。
仕事の会議は日本語です。通勤中に外国語で話しかけられることも、ジムで翻訳が必要になることもありません。7ヶ月のあいだに、翻訳機能を起動しようと思う瞬間が一度もなかった。それだけです。
ここで気をつけたいのは、「いらない機能」と「使っていない機能」は違うということです。翻訳機能は、使う場面がある人にとっては価値があるはずです。私はそれを否定しません。ただ、私の生活には翻訳が必要になる場面がなかった。機能の良し悪しではなく、私の側の接点の問題でした。
買う前に「先月、翻訳が必要だった場面はあったか」と自分に聞いていれば、答えは「なかった」でした。聞かなかったのは、面白そうという気持ちのほうが先に立っていたからです。
あとから知ったこと:翻訳は、買う前から手元で使えました
これが、この記事を書こうと思った一番の理由です。
AirPodsのライブ翻訳は、2025年11月4日に日本語に対応しました。そのとき対応機種として挙げられていたのは、AirPods Pro 3だけではありません。AirPods Pro 2と、ノイズキャンセリング付きのAirPods 4も対象でした(2026年9月23日に確認した情報です。対応機種や条件は変わることがあるので、購入前にAppleの案内で確認してください)。
私がPro 3を買ったのは2026年2月です。つまり、買う前の3ヶ月間、手元のPro 2で翻訳を試せたことになります。iPhone側にApple Intelligenceが使える機種が必要という条件はありますが、私のiPhoneはその条件を満たしていました。
試していれば、「面白いけれど、使う場面がない」と、買う前に分かっていたはずです。試さなかった。「新しい機種の機能」だと思い込んでいたからです。
買い替えの理由の半分は、これで消えました。残ったのは「電池が落ちてきた気がする」という体感だけです。自分の理屈が崩れた形なので、崩れたまま書いておきます。新機能が「新しい機種だけのもの」かどうかは、買う前に確認したほうがいい。 発表の時点では新機種の売りとして紹介されていた機能が、旧機種にも降りてくることは珍しくありません。
それでも、買い替え自体は後悔していません
ここは公平に書いておきます。
翻訳は使っていませんが、Pro 3は毎日使っています。通勤・会議・ジムの3シーンを1台で回す道具として、不満はありません。汗と雨を想定した防水性能や、ジムでの心拍センサーは、翻訳と違って実際に生活に接点がありました。
つまり、買った理由と、満足している理由が、ずれています。 翻訳のために買って、翻訳以外で満足している。結果として損はしていないけれど、判断の手順としては間違っていたと思います。理由がずれたまま満足できたのは、たまたまです。
Pro 2からPro 3に変えて、音や装着感がどれくらい変わったかは、この記事では書きません。買い替えの理由がそこになかったので、比較しながら使っていないからです。
同じことが、別のイヤホンでも起きています
最近、比較のために別のイヤホン(Anker Soundcore Liberty 5 Pro)を買いました。別の記事で比較した機種の、実機を確かめるためです。

アプリを初めて開いたときに出てきたのが、この画面でした。

「会議や旅行での対話翻訳」「100以上の言語に対応」。AirPods Pro 3を買ったときに聞いた話と、ほとんど同じ売り文句です。
私はこの翻訳機能を試していません。だから、どれくらい使えるかは書けません。ただ、翻訳がイヤホン各社の共通の売り文句になっていることは、この画面を見て分かりました。これから先、「翻訳ができる」はイヤホンを選ぶ決め手にはなりにくいと思います。どの機種にも付いてくるものは、差にならないからです。
買う前に、自分に聞くこと
新機能を理由に買い替えを考えているなら、順番にこの3つを確認してみてください。私が確認しなかったことです。
- 先月、その機能が必要だった場面はあったか。 なかったなら、来月もたぶんない
- その機能は、いま持っている機種で本当に使えないのか。 発表時点の説明だけで判断しない。手元の機種で試せるなら、買う前に試す
- その機能を抜きにしても、買い替える理由が残るか。 残らないなら、待っても遅くない
3つとも「はい」なら、買っていいと思います。私の場合、1つ目の時点で答えは「いいえ」で、2つ目は試しもしませんでした。
こういう人には、この話は当てはまりません
- 仕事や旅行で、外国語の会話が実際にある人。 翻訳機能に生活との接点があるなら、私とは前提が違います
- いま使っているイヤホンが壊れている人。 買い替えの理由がすでにあるなら、新機能はおまけです。気にしなくていい
- 新機能を試すこと自体が楽しい人。 面白そうだから買う、を否定するつもりはありません。私もそうでした。ただ、それを「必要だから」と言い換えないほうがいい

まとめ
- AirPods Pro 3を、翻訳ができると聞いて2026年2月に買いました。 7ヶ月で翻訳は0回です
- 使わなかった理由は、使う場面がなかったから。 機能の良し悪しではなく、私の生活に接点がなかった
- 翻訳は買う前から、手元のPro 2で3ヶ月間試せました(2026年9月23日時点の対応機種です。購入前に確認してください)。試さずに買ったのは私です
- それでもPro 3には満足しています。買った理由と満足している理由がずれたまま、たまたま損をしなかっただけです
- 別のイヤホンのアプリでも、同じ翻訳が売り文句になっていました。どの機種にも付く機能は、選ぶ決め手になりません
- 新機能で買い替えるなら、「先月それが必要だった場面はあったか」「手元の機種で試せないか」を先に自分に聞く
機能があることと、必要なことは別です。手元で試せるものを試さずに買った、というのがこの記事のいちばん恥ずかしい部分で、いちばん伝えたい部分です。

