モバイルバッテリーを、毎日カバンに入れて持ち歩いています。
使ったのは、2回だけです。 1回は自分のスマホ。もう1回は友人のスマホ。それ以外は、カバンの底で一度も出番がないまま日々が過ぎています。
それでも持ち歩くのをやめていません。使う頻度で判断する道具ではないからです。
スマホが止まると、何が起きるか
理由は単純です。スマホに、定期券が入っているからです。
モバイルSuicaを使っていて、物理のカードは持っていません。だからバッテリーが切れると、改札で止まります。
クレジットカードは1枚、念のため持ち歩いています。レストランでテーブルまで会計に来るタイプの店だと、スマホ決済が使えないことがあるからです。だから支払いのほうは、バッテリーが切れても何とかなります。
問題は改札です。
ただ、正直に書いておくと、改札で止まっても帰れなくなるわけではありません。 駅員に事情を説明すれば、「充電できたら近くの駅に来てください」と言われて、いったん通してもらえます。私は実際にそれをやったことがあります。モバイルバッテリーを持っていなかった頃の話です。
だから「帰れないから持つ」ではありません。
持つ理由は、その手間と気まずさを避けたいからです。有人改札で事情を説明し、あとで別の駅に寄って精算する。1回ならいいですが、これを何度もやりたくはない。しかも出張先の知らない駅でやるとなると、有人改札がどこにあるか探すところから始まります。
それに、改札を通れても、地図が見られない、連絡が取れないという状態は続きます。知らない土地では、これが効いてきます。
1台にまとめると便利です。 定期券を取り出す手間がなくなり、カードを何枚も持ち歩かなくて済む。ただ、その1台が落ちたときに、面倒ごとが一度に来ます。 帰れないほどではないが、確実に面倒。モバイルバッテリーは、その面倒を避けるための保険です。
持っているもの
13000mAhのものを1つ、持ち歩いています。半年ほど前に楽天で買いました。ポイントが貯まっていたので、それで。深く比較して選んだわけではありません。

裏面の表記を見ると、出力は5V/2.1Aです。いまの基準で言えば、決して速くありません。最近のスマホが対応している急速充電(USB PD)には対応していないので、満充電までは時間がかかります。
それで困っていないのは、満充電にする場面がないからです。
緊急時に必要なのは、「改札を通れるまで」「家に着くまで」の分です。数%あれば足ります。10分繋げば、その程度は入ります。空になったスマホを満タンにするために持っているわけではないので、出力の速さは判断材料になりませんでした。
大容量は、重くて使わなくなった
実は、これに落ち着く前にもっと大きいものを何台か買っています。 20000mAh、25000mAh、26000mAh。いずれも「大は小を兼ねる」と思って選びました。
全部、使わなくなりました。 重いからです。
容量が大きいほど本体は重く、厚くなります。毎日カバンに入れて持ち歩くとなると、この重さが効いてきます。使う場面は年に数回、でも重さは毎日。割に合いませんでした。
いまの13000mAhでも、正直なところ大きいし重いと感じています。それでも持っているのは、保険としてこれ以下にはできないと判断しているからで、積極的に気に入っているわけではありません。
mAhというのは容量の単位で、数字が大きいほど多くの電気を蓄えられます。13000mAhあれば、いまのスマホを2回以上は満充電にできる計算です。2回しか使っていない私には明らかに多いのですが、これより小さいものにして「足りない」となるより、少し余裕があるほうが保険として機能するという判断です。
大容量を買って後悔した経験があるので、次に買うならもっと小さくすると思います。5000〜10000mAhで、厚みの薄いもの。緊急用なら、それで十分です。
「使わない道具」の評価は難しい
このサイトでは、使う頻度が低いものを持たない方向で書いてきました。使っていなかった機能は外す、続かない記録はやめる。
モバイルバッテリーは、その逆です。 ほとんど使わないのに、持ち続けている。
矛盾しているように見えますが、判断の軸が違います。
| 道具 | 評価の軸 |
|---|---|
| 毎日使うもの | 使いやすさ、続けやすさ |
| 保険として持つもの | なかったときに何が起きるか |
保険は、使わないことが正常です。使う頻度で評価すると、必ず「要らない」という結論になります。評価すべきなのは、使う場面がいつ来るか分からないうえに、来たときの損失が大きいかどうかです。
私の場合、損失は「帰れない」ではなく「面倒」でした。それでも、毎日持ち歩く重さのコストより、その面倒のほうが大きいと判断しています。ただし大容量では重さのコストが勝ったので、13000mAhまで落としました。この線引きは、人によって違うと思います。
使った2回のこと
1回目は、出張先でした。1日じゅう外で動き回っていて、コンセントを借りられる場所がどこにもなかった。夕方には残量が心細くなって、移動中に繋ぎました。
出張は、モバイルバッテリーの出番がいちばん来やすい場面だと思います。普段の行動範囲なら、どこかで充電できる。 知らない土地だと、それが見つからない。
2回目は、友人のスマホでした。自分は困っていなかったのに、隣で困っている人がいた。差し出したら、ずいぶん感謝されました。
この2回目は、想定していない使い方でした。自分のための保険が、他人のための道具にもなる。 これは持っていないと起きないことです。
別の解決策もあります
正直に書いておくと、モバイルバッテリーを持ち歩く以外の方法もあります。
駅員に言う。 前述のとおり、事情を説明すれば通してもらえます。手間と気まずさを受け入れられるなら、これが一番軽い方法です。何も持たなくていい。
物理のSuicaを1枚だけカバンに入れておく。 定期券ではなく、チャージ式のカードを1枚。これなら、スマホが落ちても改札は普通に通れます。バッテリーより軽く、充電も要りません。私はやっていませんが、理屈としてはこちらのほうが軽い解決策です。
駅や店の充電スポットを使う。 コンビニやカフェ、駅の一部には充電できる場所があります。ただ、出張先のように土地勘のない場所では、必要なときに見つかるとは限りません。
そもそもスマホに集めない。 定期券を物理で持てば、バッテリー切れで困ることはなくなります。ただ、それは統合の便利さを手放すことでもあります。
私はモバイルバッテリーを選びましたが、どの方法が正解というわけではありません。 何を集めて、何を保険にするか。その組み合わせは人によって違います。
こういう人には要りません
スマホに定期券を入れていない人。 バッテリーが切れても、改札は普通に通れます。
駅員に説明する手間を気にしない人。 通してもらえるのは事実なので、それで済ませられる人には保険は要りません。
1日の移動が短い人。 家と会社の往復だけで、途中に寄り道がないなら、朝満充電にしておけば切れることはまずありません。
すでに物理のSuicaを持ち歩いている人。 保険がすでにあるなら、二重に持つ必要はありません。
まとめ
- モバイルバッテリーは2回しか使っていません。 それでも毎日持ち歩いています
- 理由は、スマホに定期券を集めているからです。バッテリー切れで改札で止まります
- 帰れなくなるわけではありません。 駅員に言えば通してもらえます。それでも、その手間と気まずさを避けたいので持っています
- 使う頻度で評価する道具ではありません。 なかったときに何が起きるかで判断します
- 大容量は重くて使わなくなりました。 20000mAh以上を何台か買って、全部カバンから消えました
- いまは13000mAh、出力5V/2.1A。速くないし、これでも重いですが、保険としてはこれ以下にできないという判断です
- 駅員に言う、物理のSuicaを持つ、という別の解決策もあります
1台にまとめる便利さは、その1台に依存するリスクとセットです。何かに集めたら、その何かの保険を考える。 そして保険は、毎日持ち歩ける重さでないと続かない。 大容量で失敗した私が言えるのは、それくらいです。

